..kirigami
..art

切り紙という紋様芸術を探求する活動は、日々目にする全ての色やかたち、潜在的な記憶を混在させ内なる私自身を再構築していく表現方法と考えています。
一枚の紙を幾重かに折ることから始まる制作過程は様々な記憶のかけらと結びつき、広げた時にさらに繰り返す連続したかたちとして増殖していきます。
抽象的な同一の連続紋様は太古の昔から人々と共にあり、放射状に広がるかたちは曼荼羅や教会のバラ窓、イスラム建築の幾何学模様のように祈りにも似た神々しさにも通じる象徴的な意味も内包していきます。

かたちの中に散らばる空間は、吸い込まれるような飛び出すような、どこかとどこか誰かと誰かを繋ぐとびらの役割もしています。
観る人によって、そのとびらは様々な感覚や意味を持つかもしれません。
一度切ればやり直すことの出来ない潔さが、他の表現と違う特徴でもあり一枚の平面素材である紙を切り開くことで現れる切り紙のの世界の魅力と考えています。
感情や感覚も抽象的な模様で切り開く「切り紙」での制作表現は平面にとどまらず、立体、空間、そして時間も飛び越えて広がっていくことを目指しています


..design

切り紙でのアプローチは、様々な素材と組み合わせ変換する表現や、メディアとのマッチングによりそれまでにない広がりを魅せることができます。
テキスタイル、器、伝統工芸、本などのプロダクトや、店舗やイベントの空間、企業のテーマに応えるお仕事です。
相手の想いや特性を読み解きつつ、その想いを切り紙にのせていくのは私だけではない誰かと共に創り上げるからこそ生まれるカタチです。


..craft

作家活動を始めた時、最初に制作したのはテキスタイル。
切り紙をモチーフに型染めや、縫製に到る過程を自らが完成まで手仕事でカタチにし、どこかの誰かが手にすることで暮らしや旅の時間と寄り添うようなものでありたいと想っています。
ひとつひとつのピースとともに日々をカラフルに軽やかに紡いでもらえたら。「歓びのかたち」と題して長らくコツコツと制作しています。

..CULTURE & WORKSHOP

伝承文化として、現在でも日本の一部に見られる切り紙は、紙垂などの神具が元だと言われています。
紋切りや寄席の紙切、切り絵などとは似て非なる表現は、誰もが子供の頃に体験したことがあるといいます。

身近にあるからこそ、実は大切な日本文化なのではないでしょうか。
懐かしくも新しい文化と現代感覚を独自の方向性に構築して著作本を出版し、国内外でレクチャーやワークショップを開催。その活動を通して、日本文化としても独自に「切り紙」を伝えることができればと考えています。